活動記録

ロンドンセミナー・商談会 報告

2016.9.4

海外

ロンドンセミナー・商談会 報告(Speciality&Fine Food Fare  2016年9月4~6日)

▲オリンピア ロンドン展示場外観(1885年建設)

会場はOlympia Londonで、ロンドンの中心街から西に5キロほどの、地下鉄Kensington駅の近く。昨年の3日間の来場者は11,333人で、約8割が購買責任者。業態別には、食品サービス35%、食品小売り25%、卸売・流通21%、製造21%となっている。
国別には、英国のほか、アイルランド、イタリア、スペイン、フランス。出展社数は、約800社と規模的に大変大きいプロを対象とした食品見本市である。

■展示ブース

展示ブースは3つから構成され、1つはメインブースで、セミナーと商談マッチング用で、お米と協働使用。2つ目は水産ブースで、1.8ⅹ0.8の冷蔵ショウケースを設置し、ブリR、ブリF、真鯛R、陸奥湾産帆立、殻付き、卵付きと卵無しの貝柱IQFを展示した。また、映像モニターを設置し、陸奥湾産のホタテと、ブリをテーマにした養殖魚のプロモーションDVDをエンドレスで流した。また、それぞれ、来場者が試食しながら商談できる様準備した。

ミッションメンバーは、団長は輸出協議会白須理事長、水産庁加工流通課川村分析官、ブリ関係は、全海水中平専務理事、東町漁協中薗部長、ホタテ関係は、稚内東部有勇内専務、まるいち横浜石文部長メーカーからニチレイフレッシュ海外事業部亀岡マネージャー、事務局から今野が参加した。

▲水産ミッションメンバー(水産ブースにて)

このほか、商談会参加として、Jetroが設置したジャパンパビリオンに出展している、タカハシ食品高橋専務、丸善納谷商店納屋常務、和田久和田社長にもご参加いただいた。


▲ジャパンパビリオン

■セミナーと商談会
9月4日(日)
11時より全米輸の木村会長による挨拶に続き、日本料理店『UMU』ミシュラン2星ソムリエの真塩氏による日本酒セミナー試飲会とアンケート調査を実施。

13時より全米輸木村会長挨拶の後、米田専務理事によるお米セミナー、13時半より、白須会長挨拶及びEU向け日本産水産物輸出の概況についてをテーマに講演した。

 

 

概要は、セミナー参加に感謝の意を表し、ユネスコ無形文化遺産に登録された『和食』が水産物主体の料理であること、日本産水産物は昨年2,575億円であったが、その内EU向けは残念ながら3%以下であり、これでは和食をお届けできていないのが実態。これの底上げのために、対EU・HACCPの認可施設の増加に尽力しており、また制度改正もあり、認可施設数も最近は約30施設から、45施設へと増加した。この要因もあり、昨年はEU向けの輸出金額も約10%伸びた。

今後ともこの取り組みは継続してゆくが、さらに今回は養殖ブリと陸奥湾差のホタテを紹介するために会員と一緒にきた。セミナーを最後まで聞いていただき、和食の素晴らしさへの理解をさらに深めてほしいと締めくくった。

続いて、今野事務局長による、『PrideFish陸奥湾産帆立』についてのセミナーを実施した。まず、ホタテのカルパッチョの試食により、うまさと食感の良さを実感いただいた。

レクチャーはJF全漁連PRIDE FISHについての簡単な説明後、世界のホタテの供給推移、陸奥湾の位置、白神山地や八甲田山などの山岳地帯の取り囲まれ、豊かな伏流水と対馬海流、親潮が陸奥湾に流れ込み、植物プランクトンが大量発生する環境で、ホタテの養殖の絶好の湾となっており、理論的には年間9万トンの収穫が可能。環境維持のための漁協等による海の清掃など努力している。さらにその環境が、うまみと甘味を大変強くしている要因と説明。次に、養殖方法について、種苗収集から収穫までの期間を含めた説明と籠と耳釣りの画像を見せ、砂噛みがないことした。さらに、現在はTASC制度(Total Allowable Scallop Cultivation)を導入し、資源の維持管理を徹底し、また生産面では4施設でEU・HACCP認可を受けていると話を終えた。

3番手として、全海水中平専務による日本産の養殖魚と健康についての講演を実施した。

まず、日本は四方海に囲まれ、海流と四季のおかげで、大変豊富な海産物が周年漁獲される。

これにより寿司文化が発展してきており、ブリも寿司ネタとして重要な魚であり、一般的に生でも食されている。次に日本の養殖魚の状況、例えばブリの養殖は海面養殖の41%で、真鯛と合わせると2魚種で約7割を占める等を説明し、延髄切り等〆の技術、活魚輸送網の整備、更にEPA、DHA、グルタミン等のうまみ成分がの豊富に含まれており、健康増進に貢献するとした。 価格は決して安くないが、満腹感ではなく健康と豊かな食生活を提供し、日本の食材が、英国の食文化に浸透して行くことを期待したいと締めくくった。

14時半より、お米との協働料理デモを『Sake No Hana』の樋渡ヘッドシェフにより、ぶりとホタテの照り焼き風と秋田小町の白ごはん添えを試食いただき、アンケートを実施回収した。

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