活動記録

Seafood Expo Globalでのセミナー・商談会(2019年5月)

2019.5.7

海外

日時:2019年5月7~9日
開催地:ブリュッセル
出品品目:ホタテ玉冷、さば等のバルク凍魚、ブリ、真鯛など

▲冷蔵ショーケース カニカマ、帆立、真鯛F、ぶりセミD等(左)/協議会ブース外観(右)

日/EU・EPAが本年2月に発効し、ブリや帆立等の関税が撤廃もしくは段階的に下がることを好機と捉え、国際寿司知識認証協会理事と2018年ワールド寿司カップでノルウェー水産物審議会賞を獲得したフランス人シェフにより、“もっと知ろう!寿司に合う日本産水産物”と題して3日間で計5回実施し、合わせて試食とアンケートも実施。特に、ぶり、ホタテ、練り製品にスポットを当てた。

現地では、以下のメディアによる協議会理事長会見も実施
●インフォフィッシュ(FAO国連食糧農業機関の組織でマレーシアクアラルンプールを拠点としてアジア太平洋地域の水産業界にマーケッティング情報と技術アドバイスサービスを提供している政府機関。 Infofish International誌を発刊)
●シーフードソース(ボストン、フブリュッセル等のシーフードショーを多数主催する米国メイン州のDiversified Communication 社の出版部門。オンラインよる世界的な水産記事をデイリーで配信。)
(会見概要)
(理事長)EUは、4億5000万ユーロ(5億4000万ドル)の水産物を日本に出荷しているが、日本からの輸入は5000万ユーロ(5,600万ドル)しか購入していない。ブリと練り製品の関税が2月に施行されたEPAでEUの関税がゼロとなったことから、これらの輸出拡大を支援していく。ただEU・HACCPを取得している水産加工施設はいまだ50か所ぐらいで、品目は限られる。協議会が事務局をしている大日本水産会は、EU・HACCPの事前審査機関として政府と協力し、水産加工施設等のEU・HACCPに認定数の拡大にも尽力している。
(インフォフィッシュ)日本国内では肉の消費が魚の消費を上回り、減少傾向にあるが、魚の消費拡大にどのような活動を行っているか?
(理事長)魚の消費拡大には、国内の消費拡大と海外への輸出拡大と2つの方向がある。海外への輸出拡大はこのセミナー等により拡大を図る。国内では幼少期における食生活が大切で、大水では魚食普及推進センターを中心に、大手水産メーカーや荷受けなどと協力して、小学校などで魚の調理法だけでなく、健康や栄養面の利点などの授業を行っている。また、水産庁などと協力し、”FAST FISH”=水産簡便商品等の普及にも努めている。
(シーフードソース)EUとの水産物貿易のインバランスは、今回のEPAで解消されるか?また解消されないとするとどんな戦略が有るか?
(理事長)インバランスの解消自体は政府ベースの話と思うが、民間団体としては可能な限り輸出拡大に努力していくことが大切と考える。ブリ、帆立、練り製品の関税撤廃は其れなりの有効と思うが、これだけでは難しく、今後は、サスタイナブルな完全養殖黒マグロなどにも注力してゆく。
(シーフードソース)中国との水産物貿易では日本は大幅な赤字だが、解消の対策はあるのか。
(理事長)中国の関税が高いことに加え、非関税障壁が多く、衛生検査などは地域や担当官によって異なるケースもあるが、政府間で貿易拡大の動きも有る様なのでさらに輸出拡大に努力したい。

この後、協議会ブースにて、EU向け日本産水産物の輸出概況説明と日/EU・EPAによるブリ等関税撤廃等を説明し、小川シェフによる、ぶりの解体ショーと造り、握りの実演をしながら寿司セミナーを実施。
(セミナー概要)
① 和包丁の種類と切るものによっての使い分け。例えば出刃は魚を卸すときに使い、柳刃は皮を引いたり刺し身を切ったりする。(柳刃で刺身を引くときの引き方について、平造り、そぎ造り、薄造り、等の切り方で、判り安く刺し盛りを造った。)
② 酢飯の作り方や、手酢による衛生面の効用について。
③ 寿司の握り方について等。

北米でも寿司に対する関心が大変高かったが、来場者による人だかりが出来、通行が妨げられ、対面の出展者から苦情が出るほどであった。この後試食とアンケート回収が行われた。3日間で5回のブリ解体、寿司セミナー、試食アンケートで、395枚を回収した。

▲理事長スピーチ(左)/ぶり解体ショー(右)

アンケート結果では、「生食に抵抗が無い」と回答した割合は53%と高く、刺身や鮨での生
の魚を食する文化が浸透してきている。
ブリについては寿司で90%、しゃぶしゃぶで70%が「美味しかった」と回答。
「美味しくなかった」はどちらも2%以下。「美味しかった」と回答した理由はどちらも
高い順に、味、食感、鮮度、見た目、脂乗り、と言う結果となった。

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