総合食品見本市 Sialパリ セミナー・商談実施報告
2018.10.21
2018年10月21-25日の5日間にわたり、パリ・ノールヴィルパント展示場で開催された。
Sial Paris2018(Salon International de l’Alimentation)のJetro ジャパンパビリオンに水産物・水産加工品輸出拡大協議会として初めてブース出展し、セミナーと商談を実施した。食品の見本としては、世界最大規模で、主催者の発表によると、出展者7,200社、119国(昨年実績7,020社、109ヶ国)、来場者310,000人、約200ヶ国(昨年実績155,700、194ヶ国)業態別には小売り55%(飲食店も含むと推測)、食品製造23%、フードサービス16%、その他のサービス6%となっている。来場者数や出展者数などは、東京シーフードショー含め世界4大SFS(ボストン、ブリュッセル、青島)の10倍の規模と言える。会場は大変広大で、1号館から8号館まであり、規模の大きさを感じた。ジャパンパビリオンが設置されたのは4号館で、周囲には韓国、台湾、フィリピン、インドネシア等アジアの国と米国、カナダ等が設置されていた。
▲展示会場レイアウト
▲6号館と7号館(左)/ジャパンパビリオン※左は韓国館(右)
ジャパンパビリオンのブース数は37枠で、出展者数は45社、そのほか県単位等の団体が、本協議会を含め8団体が出展していた。この中に本協議会は2ブース確保し、商談やセミナーの為の孫出展社として4社出ていただいた。出展者名と出展アイテムは、①紀文ヨーロッパ社、紅白の板かま、カニ風味かまぼこ、伊達巻、②True World ジャパン社 ぶりフィレー、真空まぐろ柵、うなぎ蒲焼、海藻類等、③ニッスイ、冷蔵と冷凍のぶりラウンドとフィレー、④稚内東部 冷凍ホタテ貝柱。
今回のミッションは、協議会の白須理事長を団長とし、事務局からは浅川、今野、TrueWorld ジャパンからは、諸岡部長、竹田課長、ニッスイからは、島部長、賀家副課長、稚内東部からは山本社長、日本からではないが、紀文ヨーロッパからは石井社長他2名参加いただいた。また、TrueWorld UKからもBongjin Jung社長以下数名商談支援に参加いただいた。
2コマの本協議会ブースには、商品展示用冷凍/冷蔵ショーケースや各1台、商談テーブル2セット、ビデオモニター、調理デモカウンター、などを設置した。調理器具としては、炊飯器、IH加熱調理機を持ち込み、刺身、握り、バタ焼き等の調理デモを可能にした。
▲冷凍ケースを前にして、白須会長と水野審議官(左)/冷蔵ショーケース上から板かま、伊達巻、ホタテ、カニカマ、ぶりフィレー、ブリRとフィレー(右)
10月21日初日は日曜日なので、一般の来場者が多いのではと危惧したが、一般消費者の来場者はそれほど多くなく、2割程度と思われた。開場は9時半、終了は18時で、5日間ひっきりなしに来場者で盛況であった。9時半から12時までと、13時から14時、15時半から18時までを商談タイムとし、来場者とブース内やショーケースを挟んで試食、商品説明、商談がなされた。
セミナーは毎日、基本1日2回実施した。初日12時よりまず、白須理事長のフランス語による挨拶とEU向け日本産水産物の輸出概況説明があり、挨拶の後の要旨は、①和食ブームの中、フランスから30万人、EUから150万人が来日し、和食と高品質な日本の水産物を堪能されている。②しかしEUむけ水産物の金額ベスト3は、ホタテ、錦鯉、魚油となっており、この3品目で7割を占める。③フランスを始めEUの皆様に高品質な日本産水産物を使った本格和食を味わってほしいい。④今回はぶり、ホタテ、蒲鉾を刺し身や握りだけでなくいろいろなレシピーで味わっていただき、日本産水産物の理解を深めてほしいとした。
次に、日本水産(株)海外販売推進部の島さんに“日本のホタテ”と題して、レクチャーいただいた。まず日本のホタテ産地について、①オホーツク、噴火湾、陸奥湾の位置とそれぞれの年代別生産量と生産物の特長についての説明があり、②サイズ仕訳、玉冷の国際相場、特に日本と米国の価格にスポットを当てた推移、日米それぞれ陸からの漁場の距離や深さ所要時間と船内での保管方法、③さらに日本の養殖ホタテの説明などがあり、④日米の量店で販売されているホタテの水分率等の分析結果と食感等の特長、⑤保水処理による重量増について、日本のホタテがいかに正直品質かを強調し、最後に日本からの輸出先の統計を示し、⑥近年中国への両貝での輸出が重量で大きく伸びているが、日本産原料を保水加工して、日本産帆立として再輸出され、世界中で出回るものもあるようだと指摘して警笛をならした。
次に2018東京シーフードショウ―のワールド寿司カップで入賞した、フランス大会の優勝者である、Yann Rousselotシェフによる、ぶり握り、ホタテ刺し身、蒲鉾のアボガドマンゴー添えタルタルソース、の調理デモと試食を実施した。
午後のセミナーは14時より、今野事務局長による日本産水産物の価値をテーマとしたレクチャーがあり、①活締めや低温物流等の鮮度保持技術、②環境にやさしい養殖技術、③日本を取り巻く環境が多様性に富んでいることが育んだ和食文化は、季節や自然を味わう事と説明した。次に、稚内東部、山本社長による、ぶりの丸からの3枚卸しとお造りを、解説やを交え、部位ごとの料理メニューも含め実施した。丸のぶりを見たことが無い来場者が多い為か、動画を撮影する人だかりができた。2日目から5日目まで、ほぼ同じ内容で商談、セミナー、試食アンケートを実施し、5日間で約1000食x3品を配布し、約600件のアンケートを回収し、現在分析中。
○商談について
今回、紀文ヨーロッパン、True Worldジャパン、ニッスイ、稚内東部、4社が商談者として出展していただいた。5日間の商談件数は約120件で継続商談件数も20件を超えている。成約見込み金額は4社合計で、ホタテ100~150百万円、ぶり80~100百万円、練り製品20百万円、その他20百万となっている。水産専門見本市と比べても、遜色ない商談成果となっている。
▲白須理事長講演(左)/ニッスイ島営業部長レクチャー(右)
▲Yannシェフによる握り実演(左)/熱心にアンケートに答える来場者(右)
▲ぶりRの3枚卸し、お造り実演(カメラ目線?)